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2021.01.18

深海魚「サケビクニン」の人工授精による繁殖に成功しました!!

サケビクニンは主に北日本周辺の水深100~600m付近に生息。成熟すると30㎝程になるクサウオ科の仲間です。

当館では地元漁業者の協力により、エビカゴ漁などで混獲された個体を通年飼育・展示しています。
1997年には世界で初めて水槽内での自然繁殖に成功し、公益社団法人日本動物園水族館協会より繁殖賞を受賞。まさに当館を代表する魚類です。

 

今回、2020年10月1日に人工授精を実施。その後卵の様子を観察していたところ、一部の卵で授精を確認。さらに授精から88日後の12月28日に初めて孵化があり、現在もふ化が続いています。

 

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本種は外見から雌雄の判別、卵の成熟具合の判断ができません。その為、事前にエコー検査を行い雌雄や卵の成熟具合を把握し、的確に人工授精を実施できたことも成功の要因となりました。

ふ化直後の仔魚の大きさは全長13.5㎜程で、ふ化当日より餌として与えた動物プランクトンの摂餌を確認。バックヤードの予備水槽で育成を続けています。
本種の人工授精による繁殖の報告はまだなく、恐らく世界初と思われます。

 

繁殖したサケビクニンは今後展示槽での展示も行う予定です。

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